久しぶりに友人のオケを聞いてきた。ただ、今回だけは、普段と違って、気楽に聞くというものではなかった。だが、単にオケを聞くだけというのでは、対費用の面では、割高であることには、間違いない。そこで、ちょっとしたイベントを加えることで、イベントに深みを加えてみることにした。
イベントというのは、以下のようなものだ。知人のご夫婦というか、そのご家族を、ついでに、誘ってしまおうということだ。ただし、このご家族というのは、一筋縄では行かない。つまり、ご主人が、ちょっと、大変なのである。それは、完全四肢障害の「現役のお医者さん」なのである。
「わが車イス人生-挫折と再生」阿部憲史氏
http://www.yamagata-u.ac.jp/gakumu/senpai/02/02-6.html
阿部憲史さん講演
http://yamamiti.hp.infoseek.co.jp/volunteer/vol3_3_9.htm
本人を、誘うことについては、昨年の秋の時点で、思いついたことなので、これは、あっけないくらい、即答で、返事を、もらった。問題は、次からのこと。そう、主催者団体に直接連絡するというのは、正攻法かもしれないが、どこの誰とも分からない私からでは、正攻法過ぎる。まして、小学一年生のお子さんも、連れて行きたいという、リクエスト付きときたものだ。これが、旅行なんかだと、航空会社や、もしくは、旅行代理店に頼めば、良いことで、私は、動くことなど、何も、無い。だが、これは、お誘いした家族の住んでいる街でおこなうことなので、旅行というわけではなく、単なる「お出かけ」に、すぎない。そこで、閃いたのが、他人を使ってしまおうというアイデアだ。というのも、この主催者団体の構成メンバー(つまりのオケのメンバー)が、私の学生時代の同級生ということだった。チケットの発売開始となるずーーっと以前に、突然メールして、チケットの手配をするという暴挙だった。頼まれた友人も、自分の所属する主催団体のコンサートのチケット手配は、仕事とは言え、最初は絶句していた。条件がきびしいらしい。それは、そういう人を、呼んだりしたことを、普段のコンサートで、スムーズに手配できるぐらいのシステムが、出来上がっていないという事らしかった。というのは、チケット料金には、指定席、自由席、学生という区別はあるのだが、車椅子の場合でのシステムやお子さんの場合の料金が、確立していないということだった。会場は、設計というよりも、出来上がって30年以上もたっている地方の市民会館などでは、車椅子スペースというものを常設しているわけではなく、通常の座席をとり払って、車椅子スペースを作らなければならない。つまり、車椅子の人たちが、週末のコンサートに、気楽に、ふらっと、立ち寄るなんて土台が、できていないということだった。
会場の準備だけだと、思われるかもしれないが、ことは、それほど、単純ではない。それは、今年が、例年に無い、大雪であるという事実がある。コンサートが、行われたのは、東北地方の地方都市である。普段でも、この季節は、一年のなかで、雪が多い時期なのに、ことしは、とんでもなく、雪が降る。事前に準備などをしていても、前日の晩にたっぷりと雪なんか降られたものでは、市民会館の駐車場から、入り口までの除雪体制がどうなっているかというは、分かったものではない。たんに、チケットを手配するだけを、頼んでは、手抜かりもあるので、会場でのアクセスを確保するということを、事前に指摘しないと、いけなかった。通常のコンサートでの観客の出入りに使われない、大道具などを搬出したりするためのところは、車椅子の通行も考慮されている。地方オケは、公益社会法人としての側面を持つために、営利偏重主義ということでの運営をしているわけは無い。またしても、友人に、無理やり注文することにした。飛行機などでの搭乗の際には、プライオリティ・チェックインを行うことは、一度でも飛行機を利用したことがある方なら、容易に想像できるだろう。コンサートにも、それを、応用するということだ。難しいことではない。単に、人に優しく、接するということだけだ。
さて、ここまで、先行して手配だけはやったのだが、それだけだと、つまらないことに、気が付く。そう、サプライズが、ないということだ。音楽は、音を楽しむと、書くように、楽しむことが真骨頂。もうひとつ、イベントを加えておくことにした。それは、チケットの手配が終了した段階で、当日のコンサートの主役、指揮者にアポを取ってしまおうと、いうことだった。内容は、簡単。これこれ、こういうものですが、今度のコンサートに、こういう人を誘いました。コンサート自体には、ご迷惑を、おかけすることも、事前にお手数をおかけすることもありませんが、とりあえず、ご連絡まで。ということだった。
当日会場入りした時点で気が付いたことだが、貴賓席というところには、県知事、市長、から、参議院議員、衆議院議員、まあ、偉い人のオンパレード!というのは、このコンサートは、ドイツ観光年2005/2006と名をうった、ドイツと日本との友好のしるしとして、文化庁が公認の「ヴュルテンベルク・フィルハーモニー」来日イベントもかねていた。VIPが沢山いる中で、そんなことなど眼中にもない私は、会場の隅で、好き勝手に、お楽しみとすることにした。まあ、私のお楽しみは、おいといて、会場での車椅子のセッティングという段階になって、気が付いたことがある。会場の床面というが、微妙に傾斜しているということだった。椅子を取り払ったスペースに、車椅子をとめると、自然に、前かがみになってしまい、2時間あまりのコンサートを聞く、コンディションとしては、最悪ということだった。だが、その状況で良しとするわけではない、市民会館のスタッフにイチャモンつけて、無理やり、傾斜をなくすような台を、大道具置き場から探してくれるように頼んでしまうという、暴挙にでるということだった。うーーん、こんなこと通るのだろうか?と、思ったら、代用となるものをみつけて、その場で作っちゃった!流石、大道具さん、手馴れてる!と、関心してしまった。
と、話は、前後するわけだが、先の指揮者へのコンタクト。メールで、問い合わせというか、つまり、ファンレターの形をとって送るだけ送って、返事が無い!(当たり前だよね)から、まあ、あきらめていたら、なんと、コンサート前の裏口から入って、待っている間の空き時間。本番前の緊張なり、迎賓へのあいさつなど政治的な活動をしなくてはならないはずの指揮者が、顔をだしにきた。なんと、マメな指揮者なんだろうか?相手は、可愛い娘さんとは縁もゆかりも無い、おっさんとおばさんと、その取り巻き、という状況にでもある。当然ながら、そんなことは、招待したゲストには、内緒の話。とっても、サプライズには、なったようだった。
山形交響楽団公式ホームページ
http://www.dewa.or.jp/~yamakyo/
YAMAGATA SYMPHONY ORCHESTRA
http://www12.plala.or.jp/yso_homepage/
イイモリノリチカドットコム
http://www.iimori-norichika.com/
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