昨年のクリスマスに配達されて、いままで、時間が無くて見れなかった、1990年4月18日、テル・アヴィヴのフレドリック・マン・オーディトリウムで開催された、ベルリン・フィル&イスラエル・フィルのジョイント・ライブの映像を見ました。
15年以上も前の映像ですが、歴史的な事実もありますが、この二つのオケが、同じステージに上って演奏することの意義は、大きいです。時代は、ベルリンの壁が崩壊した1989年の翌年で、東西の壁が無くなり、新しい、時代が始まったころの作品です。
とかく、後半のプログラムにレビューが集まりますが、前半最後のラ・ヴァルスが、良いです。音の魔術師とも言われるラヴェルの真骨頂とも思える、色彩感あふれる難曲です。
ゆっくりとしたテンポのワルツのような調べから始まり、曲が展開されていくと、ワルツの調べは崩壊し、転調の連続と、テンポの乱れが伴って、熱狂的なダンスと化していく。ピアノのソロ曲や、2台用の演奏もありますが、ラベルらしい、色彩感は、オーケストラ編の醍醐味を、十分に聞かせてくれます。指揮者のズビン・メータは、この曲を、大きなイヴェントでは、好んで使うようです。
曲目は、
1.ベン=ハイム作曲、詩篇(交響曲第1番、第2楽章)
2.サン=サーンス作曲、序曲とロンド・カプリツォーネ
3.ウェーバー作曲、クラリネットのためのコンチェルティーノ ハ短調 作品26
4.ラヴェル作曲、ラ・ヴァルス
~ 休憩 ~
5.ベートーヴェン作曲、交響曲第5番ハ単調 作品47<運命>
6.ズビン・メータの英語によるあいさつ(日本語字幕つき)
1は、IPOとBPOで、IPOの楽員が「外側」つまり、コンマスを担当。
2は、IPO、ソリストは、ドイツ人女性のヴィヴィアーネ・ヘーグナー
3は、BPO、ソリストは、イスラエル人女性のシャロン・カム
4は、IPOとBPOで、BPOの楽員が「外側」つまり、コンマスを担当。
5は、IPOとBPO、第1と第2楽章が、BPOの楽員が「外側」つまり、コンマスを担当。第3と第4楽章が、IPOの楽員が「外側」つまり、コンマスを担当。この移動の際には、両楽団の楽員からは、笑顔が覗かれた。
黒い正装がBPOの楽員、白い正装がIPOの楽員。
ズビン・メータの服装は、前半は、「ベルリン側」の黒の正装、後半は、「イスラエル側」の白の正装
特典映像には、ラヴァルスのリハーサルと、インタビューは、ドイツ語で、ズビン・メータと、このコンサートの実現に力添えしたメータの盟友、ダニエル・ヴァレンボイム(日本語字幕つき)
ラヴァルスの楽曲について
演奏時間:約12分
楽器編成
フルート3(3番はピッコロ持ち替え)、オーボエ2、コーラングレ、クラリネット2、バス・クラリネット、ファゴット2、コントラファゴット、ホルン4、トランペット3、トロンボーン3、チューバ、ティンパニ、大太鼓、小太鼓、タンブリン、トライアングル、シンバル、カスタネット、クロタル、グロッケンシュピール、ハープ2、弦5部
イン・テル・アヴィヴ/ズービン・メータ、イスラエル・フィル、ベルリン・フィル
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