« グスターボ・ドゥダメルの新作 | トップページ | 最強のオリンピック代表チーム »

2008.07.06

クライマーズ・ハイの雑感

久しぶりに見た日本映画です。数年前にNHKで制作されたTVドラマ版が、とても良い出来上がりのために、かなりの期待を込めて見に行きました。上映時間は、2時間半と映画としては長めです。偶然にも、TV版とほぼ同じ長さです。作品が、日航機123便の事故を扱っている作品ですが、あくまでも作品の焦点は報道側の架空の新聞社が舞台です。

主役の堤真一は、チカラが入っていますね。でも、現在のシーンでの表現は、ちょっと、疑問です。堺雅人は、前半の熱さも何処へ、という具合で、後半は冷静ですね。ちょっと前半が作りすぎという気もします。でも、あの事件の現場へ行けば、クールな人でも、ホットにもなるでしょう。尾野真千子は、オリジナルなキャラクターなので、判断が難しいですが、若手の記者を、旨く表現しています。とにかく、男ばかりが出てくる原作なので、必要なのでしょう。

映画版のニュージーランドの設定は、必要があったのか?というのが、唐突過ぎて、かなりの無理がありました。主役である悠木の家族に関する描き方が足りないことも、あります。その代わりに、悠木の生い立ちに関する部分の表現は必要があったか?と、突っ込みどころは、他にも、たくさんあります。そして、一番の不思議なのは、あの記事でなの?投稿の記事ではないの?ということ。うーん。なぜか、違うなあ。

TV版にはTV版の良さがあり、映画版には映画版の良さがあります。さしずめ、落語の噺が先にあり、それを良いかどうか感じます。次に、それを、どの様な噺家が演じるかということ。と、似ています。これは、茂木大輔さんの「拍手のルール」の文章のパクリですけど。というような、横山秀夫が、事故当時、群馬県の上毛新聞記者時代に遭遇した御巣鷹山日航機墜落事故取材の体験を17年の歳月を掛けてまとめた小説という素材があっての、映像化作品と思います。それを、楽しめたということです。

作品全体としては、山登り、新聞社、過労死、家族問題、職場の人間関係、と多くのテーマを扱っていますが、どっちがどっち、という部分が無いわけではない。理想を追えば仕方がないが、どっちつかずの原作でもあります。日航機123便の事件については、犠牲者の数が余りにも多すぎるので、これ以上の描写は、不必要であると思います。良い作品ですが、5つ星にはまだ、遠いです。そして、日航機123便の事故の遺族の行動(地元の新聞が一番詳しい記事が書いてあるとして新聞社を訪れる)に、初めて気がついた新聞記者、投稿記事により、その新聞記者の運命が変わるくだりとか。あの内容で、投書したとしても、劇中と同様に、「青臭い」で、終わりでしょうし。。。それを、許すのも、甘い新聞社だなあと、思うところが、あります。映画のプロモーション映像では、日航機123便の事故をメインに扱っているように連想させる内容なために、勘違いを起こさせるのが、疑問です。

でも、「このような雑感が、雑感か!書き直せ!」と台詞にあるようなことを、言われそうな記事が、私の記事だな。

劇中に使われた現場雑感を、引用します

若い自衛官は仁王立ちしていた
両手でしっかりと小さな少女を抱きかかえていた
赤いトンボの髪飾り 青い水玉のワンピース
小麦色の細い右手はダラリと垂れ下がっていた

自衛官は天を仰いだ
空はあんなに青いというのに
雲がぽっかり浮かんでいるのに
風は悠々と尾根を渡っていくのに

自衛官は地獄に目を落とした
そのどこかにあるはずの
女の子の左手を探してあげねば
ならなかった・・・。

【レポート】新聞記者を目指す学生必見! 『クライマーズ・ハイ』から報道の本質を学ぶ (2) 若者よ、もっと熱っぽくあれ!  エンタテインメント  マイコミジャーナル

NHKドラマ「クライマーズ・ハイ」

映画「クライマーズ・ハイ」公式サイト

クライマーズ・ハイ - Wikipedia

Amazon.co.jp: クライマーズ・ハイ 横山 秀夫 本

« グスターボ・ドゥダメルの新作 | トップページ | 最強のオリンピック代表チーム »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/16094/41746460

この記事へのトラックバック一覧です: クライマーズ・ハイの雑感:

« グスターボ・ドゥダメルの新作 | トップページ | 最強のオリンピック代表チーム »

Tumblr

  • Tumblr
2015年12月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

AddMyClip

  • AddMyClip

最近のトラックバック

フォト

カウンター

Flickr


ウェブページ

フォトグラファー


  • 横木 安良夫
    全日空やサントリーのCMを手がけている写真家で、戦後のベトナムの何気ない人々や風景の写真なとが見れます。ロバート・キャパや一ノ瀬泰造の記事もあります。また、デジタルカメラについての質問や、写真について、などもあります。一ノ瀬泰造とは、先輩後輩の関係のようです。

  • 久保田 弘信
    子どもの表情、老婆の目、幼い子どもの働く姿…。「戦争の残酷さを伝えるのは誰でもできる。別の角度からアフガンの戦争を伝えたい」と語っています。

  • 今岡 昌子
    逆境を乗り越え懸命に生き抜く人々の表情は、目は鋭く輝き、むしろ生き生きと、より人間らしく、死に直面した人々だからこそ、生命の尊さを重んじている一面もあるとして、女性という立場から、自然と女性に注目した写真を取り続けています。

  • 外山 ひとみ
    ”心の瞳”を通して捉えた、“新しい国に生きる女性達の姿”を、この10年見続けたヴェトナムの変貌、素顔、そして未来を、ヴェトナムで出会った様々な女性の生き様を捉えた作品で構成しています。

PodFeed


WeatherForecast

BlogRanking



  • 人気blogランキング

WebRanking


  • ランキング

Technorati


  • http://diving.air-nifty.com/

track word

こうさぎ2

  • BlogPet

SNSアカウント

del.icio.us Mixi Twitter
無料ブログはココログ