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2009.04.01

「隷属国家 日本の岐路―今度は中国の天領になるのか?」を読み終える

ビジネス書というのを読むが、たいていの場合において、読みにくい。ビジネス書を読む動機というのが、わからないことを、調べたい、分かり易くしたい、というのが、基本にあるからです。つまり、解説本を、買っているようなものです。ただし、読み始めてから気がつくことだが、たいていのビジネス本は、分かりにくい。そう思ったことはないだろうか?

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北野幸伯さんの文章は、わかりやすい。砕けすぎて、ほとんどが、口語体です。こういったことを書く人が、有名にならないの?と、思ったら、日本に住んでいなくて、ロシアに、在住しているそうです。日本にいると、見えないことを的確に表現しというのは、そういった部分から、現れるのでしょう。

本に、書いてある内容は、
第1章 崩壊寸前の日本は大減税で復活する
第2章 移民労働者受け入れに反対!
第3章 平和ボケ 外交音痴 日本の行く末
第4章 食糧危機とエネルギー危機をどう乗り切る?
第5章 世界一教育熱心な国 日本が失った“教育”
第6章 脱アメリカ信仰! 日本は世界から愛されている

一つ一つの章で、最初に、再現ドラマ風な、近未来(5年、10年といった単位)のことを書いています。まず、そこで、読者に、現状の日本の抱えている問題を放っておくと、こんなドラマになりますよ!と、教えてくれます。
そして、そのようになった経緯を書きます。こういった、問題点を、供述する人は、いくらでもいます。
この北野さんは、その問題点の解決法を、提示しています。荒唐無稽な解決法でなく、それって、できそうだよね?と、思わせるようなことばかり。問題点を出すだけなら、私たちにもできます。それを、どうするか、ということを、示唆してくれる人は、少ないです。

この北野さんの文章を読んだ後に、今、話題の「勝間 和代」さんの文章やコメントを見ますと、わかりにくい。結局、何を、言いたいの?と、悩んでしまいます。肝心なところが、曖昧になっているからなのでしょうね。

実践する人、政治家ができることだけとは、限りません。つまり、食糧危機の解決方法は、ということは、私達自身の生活にかかわること、つまり、やれないことでは、ないということが、書いてあるからです。
それって、無理だろう?と、いう事もありますが、本人も、対抗意見をあらかじめ用意しています。

世界同時不況に襲われていますが、こういった本の中にも、解決できる方法、実践できることが書かれています。
本のタイトルが「奴隷国家」!という、ネガティブなイメージを浮かびますが、北野さんの文章は、最後は、希望を持たせてくれます。最初に、どん底まで落とし込んで、その解決法を示しています。作者は、これでも、手加減をした文章だと、あとがきに書いています。

それが、現実にできるかどうか、私たち自身が、決めることですが、できそうにないことでなく、できそうなことが、書いてある。今、実践すべきことを、模索しているから、ビジネス書を、読むという本来の意義に、沿った本だと思います。

すべてを、この通りにすればよいか?それは、個々の人が、決めることです。でも、久しぶりに、一読を、お勧めします。


隷属国家 日本の岐路―今度は中国の天領になるのか? (単行本)(アマゾン)

『隷属国家 日本の岐路』 北野幸伯著 ダイヤモンド社(プレジデント・ロイター・インタビュー)

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コメント

私も北野さんのファンであります。

2008年のこの本では、中国の尖閣諸島への侵攻も予想しています。

それだけ国際情勢の分析が的確ということだと思います。

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