シルバーウィークというのが、何時の間に?と、思いつつ。100年に一度の経済危機にもろに影響を受けてしまったので、先立つものが無いので、ビッグサイトの旅行博などで、お茶を濁し、夕方前に、ヨドバシで、オーディオテクニカのスピーカーケーブル657AT6157を3mほど買い(m単価200円で、十分、良い音出ますよ)、その足で、ミューザ川崎へと、向かいました。
目的は、「ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン 2009」のミューザ川崎でのリヒャルト尽しを聴くためです。
ミューザ川崎は、関東屈指の音響を誇るホール(5年前の杮落しシリーズで、BPOを振ったサイモン・ラトルが、ベルリンへ、持ち帰りたいと、愚痴ったホール!)ですが、そのア・シンメトリー(左右非対称の不自然さ)と、「川崎に、こんなホールが有るのが許せん!」という東京の僻み根性のため、東京駅から東海道線を使って10数分、川崎駅からの歩き3分というアクセスの良さにも関わらず、東京駅から丸ノ内線を使い溜池山王駅から10分以上歩くサントリーホールに、人気で、負けている、不思議なホールです。
さて、会場の17時半過ぎにミューザに到着すると、まだ、開いていない!、やたら、人が多い!普段の東響よりも、なんとなく、皆さんの服装が、ジェントルというか、カジュアルなのは、私ぐらいか?という、なんとなく、場違いな気もしないでもないが、席に着くと、やっぱり、周りが、お金ありそうな、人ばかり。会話のあちこちに、出てくる単語が、なんだか、庶民というか、やっと工面した私とは、ほど遠い気がする。「今年のVPOは、今日が初日です」とか、「去年のムーティは。。。」とか、こんな高額なチケットのオケに、毎年のように、何度も、行けるんだああ、すごいなあと、まあ、そんなこと、気にせずに、です。
で、VPO公演は、複数有るわけですが、これを選んだ理由は、メータの指揮で、ミューザで、「英雄」を、聴きたかった!です。メータが、VPOを引っ張って来日するのは、1996年以来の13年ぶり。メータは、今年で、たしか、73歳ですから、次に、VPOとの公演は、有りえないだろう!と、いうことで、「VPOでの見納め」も、ありました。座席が、P席というか、まあ、ステージの後ろ側ですから、メータの指揮が、正面から、よく見えましたけれども。
それと、プログラム・セット・リストを、見て気がつく方も、おられるかもしれませんが、低音系のプログラムです。曲自体は、それほど、低音が効いているか?と、疑問が有るかもしれませんが、メータ自身が、コントラバス出身の指揮者と、いうわ事で、なにげに、低音が、活躍する部分が、随所にみられる楽曲です。ソリスト以外の部分でも、オケの後ろのほうで、地味に、普段以上に、目立った部分が多い楽曲です。
指揮台に、メータが登った時、足取りとか、動きは、まだまだ、元気だなあ、と、思いましたが、なんか、以前(前回のIPOを引っ張ってきたとき)よりも、髪の毛が、白くなったなああ、と、思います。照明のせいかなあ。
「前半」のドンキを生で聴くのは、初めてでしたが、ウィンド・マシーンと呼ばれるウィンドウ・マシーンと呼ばれる楽器を使用した空中飛行のシーンが、ステレオ効果を伴って、見事に表現されてました。CDで効いているときは、気がつきませんでしたが、これは、CDが、5.1chとかで、録音されていないと、この効果は、分からないです。それと、ドンキでの、コンマスが、なんとなく、白人にしては、華奢な体格だなあと、思っていたのですが、コンミス!でした。髪の毛が短いし、ドレスでなく、スーツとパンツ・ルックだから、後ろから見ていると、最初は、気がつきませんでした。そういえば、他の数少ない女性奏者もパンツ・ルックだなあ。VPOって、オケに、女性が、参加するようになったけれども、服装規定があるのかな?
後半の「英雄」です。イントロ(出だし)が、ガツンと、もうちょっと、攻めて来るかなあ?と、期待していたのですが、案外、あっさりです。うーん、こういうメータの、ハッキリしないところが、最近の「評論家受け」の悪いところなんだろうなあ。と、思うのです。楽曲が進み、途中で、「B管」のペットの三人が、静かに立ち上がって、楽屋に引き返して行きました、「ん?」と、思いました。これは、舞台裏から演奏する表記でした。これは、マーラーの巨人にも、ある部分です。それが含まれている、「英雄の戦場」での、鳴らし方ですが、これは、イケイケ・ドンドン、攻めまくる部分でも有りますが、LAPOの熱血時代を思い出されます。まだまだ、メータも、老いちゃいないなあ、と、安心、安心です。それと、IPOでの来日公演の時と同様に、弦楽器を、基本にガッチリ固めた土台の上で、空中戦と、言いますか、ドン・パチ・ジャン・ジャン・バラバラ、高音、中音系が、打ちまくっても(鳴らしまくって)、「全体の音」が破たんすることが無いのは良いですね。100%で、出し切るのではなく、「音質」が壊れないで、進んでいけるのが、聴いていいて、本当に、安心感があります。と、なんの、コッチャ、と、思われますよね。
アンコールですが、客席に向かって、「レモンの花咲く頃に」と、日本語で!喋ってから、演奏を、始めました。そう、「ヨハン・シュトラウス・ファミリー」という、「お正月」モードですね。どうせなら、「ラッデッキー」と演奏してほしいけれども、それは、「ウィーン」だけの伝統なのでしょうね。
プログラム・セット・リスト
指揮:ズービン・メータ
ヴァイオリン:フォルクハルト・シュトイデ(英雄のソリスト)
チェロ:タマシュ・ヴァルガ(ドンキのソリスト)
ヴィオラ:クリスティアン・フローン(ドンキのソリスト)
管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
前半
R.シュトラウス:交響詩「ドン・キホーテ」op.35
後半
R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」op.40
アンコール
J・シュトラウス・2世:レモンの花咲く頃に
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