最近、週末でも仕事、というのが、続いているし、あまり、天気も良くない。てっとり早く、映画、ということで、自宅の最寄り駅前の映画館に、「しあわせの隠れ場所」(リンク英語,リンク日本語)出かけました。上映ラインナップから、これかな?と、選んだのですが、ヒットです。
2009年にNFLボルティモア・レーベンズにドラフト1位(1順目の23位)で入団したマイケル・オアー選手の半生を描いた映画です。
マイケルはテネシー州メンフィスのスラム街で13人兄妹の1人として生まれました。父親の顔を知らず、母親は薬物中毒。まともに学校にも通わず、転校を繰り返していました。そんなマイケルは高校2年生の時に特例で私立高校に入学を認められるものの、ある日、家を閉め出されて、とうとうホームレスになってしまいます。雨の降る寒い夜、Tシャツと短パン姿で歩くマイケルは、裕福な白人家庭の主婦(サンドラ・ブロック)と出会います。マイケルを一目見た彼女は、何も聞かずに自分の家に連れて帰り、感謝祭の休日を一緒に過ごします。
この出会いがマイケルを変えました。一家はマイケルを養子として迎えることを決め、暖かな愛情を注ぎます。そのころから、マイケルは大きな体を武器にフットボール選手としての才能を開花させていくのです。そして奨学金でミシシッピ大学に進学し、大活躍。2009年4月のドラフトで1巡目23位指名でボルチモア・レーベンズに入団が決まりました。裕福な白人一家が黒人の少年を養子に迎えたときの周囲の反応は米国が抱える人種問題を浮き彫りにしており、一方で無償の愛を捧げる母親の強さに多くの人々が感銘を受けています。
原作となっているマイケル・ルイスの小説「ブラインド・サイド-アメフトがもたらした奇蹟」は、マイケル・オアーの物語というよりも、NFLのスカウティングの歴史について語った小説らしいです。
映画の中では、アメリカ映画らしく、シリアスなシーンでもジョークがあるので、重くなりがちな内容でも軽めになります。また、裕福な家庭でも、全面的に資金を提供するわけではなく、奨学金を得るために本人の学力向上に主眼を置いた教育を行い大学へ入学させた部分は、好感が持てます。また、黒人を養子に迎えたことで、他の家族が、いじめにあっていても、人種差別に対して、くじけないで前向きに向かい合うことにも、この家族の気持ちが、伝わります。「彼が、私を変えた」とトレーラーにありましたが、彼によって、養子を迎えた家族がまた一段と大きく成長した、相乗効果があったのだ思います。
映画を見ながら、この脚本ならば、サンドラ・ブロックでなかったとしたら、アンジェリーナ・ジョリーかジェニファー・ロペス、などの顔が、浮かびま
した。作品に恵まれたというか、捻りもなく、ストレート内容なのですが、結果的に、サンドラ・ブロックで良かったなあ、と、思えます。実際、見終わって
から、サンドラ・ブロックが、ゴールデン・グローブ賞を受賞した作品だったと、分かりました。スピード・シリーズ以外では、デンジャラス・ビューティ・シリーズと、あとは、イルマーレくらいしか、思いだせないサンドラ・ブロックですが、これが、彼女の代表作と言ってもよいですね。自分のキャラクターを生かした良い作品に巡り会ったのだと思います。 なにせ、ミシガン大学の元チアリーダー出身、全米ライフル協会会員、共和党員、の南部(ミシガン州を、ミシシッピ州と勘違いしました、保守的な共和党員だから、北部ですね。。)の大富豪の専業主婦なんてキャスティングは、なかなか、ありませんよ。
映画の中でも語られていましたが、普通ならば、ああいった境遇にある選手ならば、凶暴な性格になる傾向にあるというのは、納得がいきました。経済的
に恵まれていないが跳びぬけた運動能力を潜めた選手、かつ、本人の性格が温厚であったなどの、偶然のことが重なって、初めて成り立った「奇跡」だと思いま
した。
おまけ、マイケル・オアーのインタビュー動画
Michael Oher (Wikipedia)
しあわせの隠れ場所 - goo 映画
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